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ごんどう
法律事務所

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お知らせ

2018-10-04 18:16:00

だいぶ前の話ですが、訴訟事件の男性依頼者から「向こうは弁護士が5人付くみたいですが、大丈夫でしょうか?」と言われたことを思い出しました。

それに関連して、一般の方には分かりづらい、弁護士が裁判で何を行っているのかについて少し書いてみます。

 

まず、代理人弁護士の人数自体は訴訟の勝敗に影響を与えないということは、言い切っていいものと思います。

法律家以外の方からすれば、自分が依頼した弁護士は1人で戦っていて、相手方には弁護士が5人も10人も名を連ねているとなると、果たして大丈夫だろうかという不安が生じるのは至極当然と言えば当然かも知れません。法廷に同行した依頼者が直接に相手方代理人の多さを目にすることもあれば、書面上の職印の数に驚くこともあるでしょう。

しかし、まず、勝敗を決める裁判官は、代理人弁護士の人数自体には関心を持ちません(代理人が誰であるか,という点には多少関心を寄せるでしょう。どの事件でも筋の良い主張をしてくる弁護士と残念ながらそうでない弁護士とでは裁判官に与える印象に差異が生じるのは自然なことです)。

また、書面に名を連ねている弁護士のうち、実質的に事件を担当している弁護士は2~3人であることが多いです。これは、10人の弁護士全員がその事件に関わって分担するよりも、数人に絞って事件処理させる方が遥かに効率が良いからです。地裁の合議事件が3人の裁判官で構成されるのも、事件処理するのに最も効率が良い人数だからという理由も恐らくあるでしょう。裁判官の人数は非常に少ないので、それ以上合議の人数を増やしても労働効率が上がるとは思えません。

そして、これが一番重要なことですが、弁護士は法廷で口喧嘩をしているわけではないということです。声が大きい、威圧感がある、眼光が鋭い、ベテランである、裁判官と旧知の仲である、相手方弁護士は自分の弁護士よりも年上だ(期が上だ)、大手の事務所に所属している、などといった点はすべて意味を持ちません。乱暴な言い方をすれば、勝敗を決するのは徹頭徹尾、事実のみです(事実と真実の違いについては後日)。そして、その事実は、書面により主張し証拠により立証します。口頭で相手を言い負かすのではありません。

どんなに複雑に見える事件でも、弁護士と裁判官が行っているのは、「法律の要件に事実を当てはめて結論を出す」というシンプルな作業です。法律は裁判官が知っています。あとは当事者が客観的事実を主張し立証しないといけません。そのような意味で、勝敗を決するのは事実のみ、ということになるのです。客観的事実で圧倒できれば、相手方弁護士の人数が多かろうが勝敗に影響がないことはお分かりいただけると思います。三人寄れば文殊の知恵とは言いますが、いくら知恵を絞っても、遡って事実を作り出すことはできません。

以上、長文になりましたが、要するに、代理人弁護士の多寡で心配することはないということです。

蛇足ですが、有利な客観的事実が存在し証拠が揃っていても、それを上手く使って裁判官へ伝えることはできなければ、弁護士が代理する意味がありません。良い食材があってもそれを活かす腕がないと旨い料理が作れないのと一緒です。その「腕」の一つの要素が書面の読みやすさであり、5W1Hを駆使して(理想を言えば)一点の疑義も残さないような文章を書く必要があります。文章の読みやすさというのも、弁護士選びの一つの指標にすると良いかもしれません。

 

なお、余談ですが、事件の種類によっては必然的にある程度の人数が要求されることもあります。

例えば医療過誤事件では、証拠保全と医療記録・医学文献の精査が事件の帰趨を左右しますが、これらは物理的にある程度の人数で手分けをしないと十分な調査はできません。10年前に出された本を1冊読んで分かった気になっているようでは、間違いなく落とし穴に落ちます。「10年ひと昔」とはよく言いますが、医学の常識は10年どころではなく時には数年で変わってしまうこともあります。

医療関係訴訟とは言っても、C型肝炎訴訟のようなある種定型的な事件であれば弁護士1人でも対応可能ですが、本格的な医療過誤訴訟は、新規事件を一時的に受任停止にでもしない限り1人では対応できません。そのため、現在のところ当事務所では医療過誤訴訟を取り扱わないことにしております。

(また、特許関係と税務争訟も取り扱っておりません。これらは単に専門外という理由です。なお、特許以外の知的財産事件(意匠権、商標権、著作権)は対応可能です)


2018-10-02 09:14:00

10月4日(木)は、午後4時頃まで大阪弁護士会での所用のため、相談のご予約は午後5時以降の時間帯となります。


2018-09-20 10:22:00

当事務所では、債務整理事件(任意整理、個人再生、破産)の割合が比較的高く、受任処理件数も多数にのぼります。

任意整理と破産に比べて、あまり耳馴染みのない方も多いと思いますので、個人再生について簡潔に説明します。

 

大雑把に言うと、借金を原則5分の1にまで圧縮してそれを3年又は5年で返済する手続、です。

もちろん細かい制限や例外はあり、例えば、継続した安定収入があることが条件ですし、返済総額は100万円を下回ることができず、保有する財産時価総額を下回ることもできません。5~7年程度、新規の借入やローンの申込みができないというデメリットは、破産等の場合と同様です。

その反面、効果は大きく、上記の通り原則として借金の5分の1(1500万円超3000万円未満の場合は一律300万円,3000万円超5000万円以下の場合は10分の1)を返済すればよいことになります。

また、破産手続においては、各地方裁判所の運用によっても異なりますが、だいたい時価20万円以上の財産は処分・換価されてしまうと考えていただいて結構です。それに対して個人再生手続では財産を手放す必要がありません(※所有権が他人にある動産類はもちろん別です)。

特に住宅資金特別条項を付けた場合には、住宅ローンは従来どおり返済しつつ、住宅ローン以外の借金は上記のように圧縮されるのですから、自宅を失いたくない債務者にとっては最も効果的な選択肢と言えるでしょう。

また、破産による免責は、申し立てたからといって必ず裁判所が認めてくれるものではありません。そもそも借金総額が収入と財産に比して多くなく、頑張れば返済できる場合は破産の要件である「支払不能」には当たりません。ギャンブルや放蕩につぎ込んで膨らんだ借金の場合は免責不許可事由(要するに「借金はチャラにできません」という判断)に該当します。破産(免責)は効果が大きい分、要件審査が厳格です。

住宅を所有していなくても、上記のような制限のために破産申立に向かない方にとっても、個人再生手続は有効です。

 

※一つ注意が必要なのは、保証人や連帯債務者がいる場合です。

これらの者は、法律用語で「全部義務者」と呼ぶことがあり、その名の通り主債務者の債務について全部の支払義務を負う者です。

主債務者が個人再生手続を行い、借金を5分の1に圧縮したとしても、その効果は債権者と主債務者の間での相対的なもので、保証人や連帯債務者には及びません。

したがって、債権者は、圧縮前の債権全額について保証人や連帯債務者に請求することができます。個人再生により1000万円の借金を200万円に圧縮したとしても、保証人や連帯債務者に対しては依然として1000万円全額の請求ができます。

破産の場合と同様、保証人や連帯債務者に影響が及んでしまうことは避けられないですが、本来、保証や連帯債務とはそういう重い責任を負うものだと考えていただくしかないように思います。

 

以上は、個人再生の概要に過ぎません。様々なパターンについて説明するとそれだけで本1冊書けます。この頁をご覧になって少しでも「やってみよう」と思われた方は迷わず弁護士に相談すべきだと思います。


2018-09-14 09:19:00

弊所にご相談に来られた方から、「どこに相談するべきかどうかわからなかった」という声をたまに聞きます。

たしかに、悩み事が生じた際に、最初から弁護士を選択する方はそう多くないかも知れません。自治体や法務省、消費生活センターなどへ相談される方も多いと思います。若い世代ではインターネット上で情報を集めるのがまず第一手でしょうか。

なにより費用がかからないですし、気軽にアクセスすることができ、大抵の場合は丁寧に話を聞いてくれて相談者側の心理的負担も少なくないためです。

その段階で対処法が明確に分かり、かつ、それを自分で容易に実行できる場合(もしくは何もしなくていい場合)であれば、それでよいでしょう。

しかし、そのような場合は決して多くはなく、また、その相談先から「弁護士に相談してみてはどうですか」と回答されることもあるはずです。

 

少し話は飛びますが、世の中の法律上の紛争を終局的に解決する機関は裁判所以外にありません。法律上の権利を実現する機関もまた裁判所以外になく、裁判手続を代理できるのは原則として弁護士のみです。

そして、「法律上の紛争」というものは、法律家以外の方が考えるよりも遥かに広い裾野を持っています。

つまり、弁護士という職業は法律上の紛争解決に最も近い場所で仕事をしているので、相談者の抱える問題をどう解決すべきかについて最も的確にアドバイスができる立場にあります。法律では解決できない問題については、残念ながら何もすることはできませんが、少なくともそれが法律問題なのかどうかを知ることはできます。

 

身近な相手や自治体等の相談センターで「弁護士に相談した方が良いのでは」とアドバイスされた場合、迷わず弁護士に相談していただきたいと思います。最初から弁護士に相談する方が、大局的に見て時間も費用も労力も節約できるはずです。

収入の十分でない方については法テラスの援助が使えますし、収入が一定水準以上の方にとっては5,400円という金額は決して高くはありません。

大阪弁護士会( http://www.osakaben.or.jp/ )の今年度のスローガン(?)は「届けたい。弁護士の力」ということらしいですが、昔に比べて弁護士へのアクセスは格段に改善された時代ですので、まずは弁護士を頼っていただきたいと思います。

 


2018-08-12 14:59:00

8月25日(土)は、事務所内の修復工事のため、終日休業致します。