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ごんどう
法律事務所

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お知らせ

2018-11-16 09:56:00

11月22日(木)は、出張のため午後は休業致します。

午前の法律相談は、9時~または11時~が空いていますので、ご希望の方はお問い合わせ下さい。

 

23日(金・祝)及び24日(土)は、終日休業致します。ご了承下さい。


2018-11-10 14:48:00

最近相談を受ける中で感じたことを少し書きたいと思います。

 

タイトルの通り、我々弁護士は、依頼者の希望を「法律で」実現することを主たる職務内容としています。

典型的には訴訟や執行などのいわゆる「裁判」といわれるものがこれに当たります。

世の中のあらゆる法律上の紛争は、最終的に裁判所のみが解決する権限を有しています。市役所でも法務局でもありません。

そして、裁判官は法律と事実のみに基づいて判断をします。多少の人情味を垣間見せることはありますが、あくまで法律が与えた裁量の範囲内のことであり、その意味では厳然と法律に縛られているわけです。

このうち、後者の「事実」とは何かについて語ると話が長くなってしまうので、前者の法律について少しお話します。

 

法律によって依頼者の希望を叶えるという場合、当然ながら法律に規定されているメニューしか実現はできません。

・金銭の給付を受ける・動産を引き渡してもらう・登記名義を変えてもらう・離婚してもらう・親権者を決めてもらう・不動産を明け渡してもらう・債務がないことを確認してもらう・労働者としての地位を認めてもらう・所有権を確認してもらう・財産管理人を選任してもらう・・・等々、いろいろと法律に書いてあります。

弁護士としては、これらの方法によって裁判所が依頼者の希望を叶えてくれるように活動をするわけです。

裁判以前の交渉やADRの段階であっても、こじれたら最終的には裁判により実現するほかないため、上記のメニューを念頭に置いて活動します。

 

ところが、ご相談を聞くうちに、どうやら相談者の希望は法律では叶えられそうにない、とわかることがたまにあります。

その場合、残念ながら弁護士としては、丁寧に説明をしたうえでお引き取りいただくほかありません。

①例えば、これまで色々とひどい対応をしてきた相手方に対して、直接の謝罪を求めたいという場合、これを直ちに受任することはできません。

名誉毀損の事案であれば、名誉回復のための措置を法律上請求することはできますが、そうでない場合、法律は相手方に謝罪をさせるというメニューを用意していないのです。

もちろん、金銭問題を含む交渉の中で謝罪を引き出すことは戦略としてあり得ますが、相手方が拒否する場合に謝罪を強制する手段はありません。

②また、それと似たような状況で、「相手方を刑事で訴えたい」という希望もまれに聞きます。

法律上の問題が大きく民事(行政含む)と刑事に分かれることは誰もが知るところですが、刑事事件についてどのように手続が進むかについては、一般にはそこまで詳しく知られていないと思います。

誤解を恐れずに言えば、刑事事件としてどのように処理するかは全て警察・検察の捜査機関が決めることで、被害者や告発人等の関係者の意向は参考に過ぎない、ということです。

「嘘をついたから詐欺だ」「嘘を書いてたから文書偽造だ」「ひどいことを言われたから名誉毀損だ」と告発したいお気持ちは察しますが、警察・検察には刑事処分につきある程度の内部的基準があり、それに該当しない限りは送検・起訴という処分はされません。証拠がなければ尚更です。

もちろん、告訴状・告発状の作成を依頼されれば応じることは可能ですが、上記の通り処分権限は全て捜査機関にあり、(検察審査会を除いて)それに異議を述べる制度はありません。

③そのほか、「親と縁を切りたい」、逆に「子供を勘当したい」や、「次男には絶対に相続させたくない」という、家族関係の相談事も多いですが、左記はいずれもストレートには実現できません。夫婦関係は切れますが、親子関係や兄弟姉妹関係を切ることはできません(特別養子縁組を除いて)。法律がそのようなメニューを用意してないからです。

また、推定相続人に遺留分を放棄してもらうことは可能ですが、放棄してくれるかどうかは推定相続人次第です。

④余談ですが、「方法は何でもいいからとにかく相手方を懲らしめたい」という希望にはもちろんお応えできません。

弁護士はあくまで法律上正当な利益を実現するために強力な権限と法律事務の独占を許されており、社会的正義に反する要請には応じられないのです。

 

他にも枚挙に暇がありませんが、法律では実現できない希望は少なくないです。というより、世の中の争いごとのうち、法律で解決できる問題というのはほんのわずかかも知れません。そのあたりをご理解いただけると弁護士としては助かるところです。

少し愚痴混じりの長文になってしまいましたが、次に機会があれば、「事実」とは何かについて書こうと思います。


2018-11-05 17:24:00

11月7日(水)午前11時~午後5時30分の時間帯は、出張のため法律相談をお休み致します。

午前9時~・10時~または午後6時~であればご相談は可能です。


2018-10-31 09:32:00

当事務所では家事事件(離婚、相続、後見、親子関係など、家庭に関する事件)を扱うことが多く、それなりに実績と経験の蓄積があるため、今後コラムにて少しずつ解説をしていこうと思います。

 

今回のテーマは、離婚に関する紛争のうち最もテクニカルなものの一つである財産分与です。

年金分割も財産分与に劣らずテクニカルな問題ですが、ほとんどの裁判官は按分割合を機械的に0.5と定めてしまうため、実質的に争点となることはほとんどありません。

なお、話を簡単にするため、以下では本来的な財産分与(夫婦共有財産の清算)に話を絞って書きます。

 

財産分与というと、配偶者の持っている財産の半分をもらうことができる権利、という捉え方をされている方もいると思います。

このうち、「半分」というところは概ね正しいのですが、何の半分なのかというところはあまり一般には知られていません。

ざっくり言えば、「①婚姻日から別居日(又は離婚日)までに、②増えた、③夫婦いずれかが実質的に所有する、④共有財産(夫婦で協力して得た財産)」が対象です。

 

①について言えば、結婚期間が短ければ通常は分与対象財産は少なく、長ければ多くなる傾向にあります。そのため、配偶者に多くの資産があっても、婚姻期間が1年未満程度であれば、分与財産はそれほど多くないと思われます。

 

②については、増加した分のみを分与することになるため、逆に婚姻日よりも減っている場合は、そもそも分与すべき財産はありません。複数の子供を私立大学に通わせて一人暮らしをさせたような場合は、このパターンであることも珍しくはありません。

 また、夫婦のどちらかが婚姻中に負った借金はどうなるのか(半分負担しなければならないのか)という質問もたまに受けます。これについては、他方の配偶者が借金の半分を負担するということはありません。ただ、それが生活のためにやむを得ず負った借金である場合は、養育費の金額算定において多少考慮されることがあります。

 その借金の保証人になっている場合は、残念ながら、離婚したとしても、他の保証人を立てる等して債権者の同意を得ない限りは保証から抜けることはできません。

 

③について、子供名義の預貯金がある場合などに多少問題となります。子供が自分で預貯金を管理していたり、預貯金の中身がお年玉である場合などは、子供のものと認定されるでしょうが、それ以外は実質的には管理者もお金の出所も親であるため、実質的には親の預貯金として考えることになります。

 会社を経営している場合、会社は法人として別人格であるため、会社の財産を財産分与の対象とすることは基本的にはできません(全く無理ではありませんが、かなり例外的な事案に限られます)。

 

 ④が最も争われる要件です。

 ここでいう共有とは、一般的にいうところの共有とはかなり意味が異なります。その財産の名義が夫婦のどちらか一方であっても、共有となります。

 典型的な財産である預貯金や自動車、生命保険、金融商品については、どちらか一方の名義単独です。不動産については、共有持分を設定していることもあるでしょうが、どちらかの単独所有名義であっても、ここでいう共有財産になり得ます。

 例えば会社員の世帯だと、毎月の給料から支出を引いた残りが貯まっていき、または株式や車など他の財産に形を変え、あるいは住宅ローンに充てられて債務が減っていくでしょう。

 働いている本人からすれば、「自分の給料であり、時分の財産」という感覚があるでしょうが、財産分与の場面では、「夫婦2人で協力して稼いだ給料」と考えるのが通常であり、離婚に伴って清算する必要があります。なお、上記①で離婚日に先立って別居日も基準日として掲げたのは、通常は別居した後は「夫婦が協力して生活する(財産を築く)」という前提がなくなるからです。別居日以降に財産が増えても減っても、その増減分は考慮しません。

 また、いわゆる特有財産は共有財産ではありません。典型的には、親から贈与を受けたり相続した財産や、婚姻前から保有していた財産です。これらは、夫婦で協力して生活しなくても得られた(保有できた)財産だからです。

 

 

 かなり大雑把な説明ですが(詳細に説明しようと思ったら薄い本1冊書けます)、以上が財産分与の対象となる財産です。現在離婚協議中だという方は、少し参考にしてみて下さい。

 

 個人的な意見としては、ほとんど一律に分与割合を2分の1にすることにはかなり疑問があります。共働き世帯で夫婦の収入も生活費の負担も同程度であり、夫は仕事をするのみで妻は仕事に加えて家事と育児も全部やっているという場合、夫名義の財産が増えることについては妻の貢献が大きい反面、妻名義の財産形成について夫の貢献はほとんどないのではないかと思われるためです。

 このような事案については妻の取り分を多くすべきですが、裁判所の運用としては2分の1という割合を変更することは稀で、年金分割と同様に機械的に処理されている印象があります。個々の事案の特性に踏み込んで妥当な解決をしてもらいたいところですが、裁判所の対応はなかなか渋いものです(養育費とかの場面でも同様ですが)。


2018-10-04 20:05:00

10月9日(火)は、終日裁判期日で埋まっているため、法律相談のご予約は午後5時以降の時間帯となります。

ご希望の方は、お電話又はメールにてお問い合わせ下さい。