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ごんどう法律事務所

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お知らせ

2022-07-22 09:53:00

大阪は高等裁判所があるので、国選・私選で刑事事件の控訴審を受任することがあります。

民事の控訴審と最も異なる点は、いわゆる事後審であることです。

事後審とは、かみ砕いて言うと「一審の記録に基づいて、一審判決が破棄されるべきかどうかを審理する」というものです。

あくまで、一審の判断が不合理かどうかを控訴審が審理するということなので、

・新たな証拠は、原則として出せない

・一審の弁論終結後の事実は、原則として主張できない

ということになります。

もっとも、証拠調べ請求の扱いは、裁判体によってかなり異なるので、緩い(新証拠提出を比較的認めてくれる)部もあれば、厳しい(書証も被告人質問もほとんど認めない)部もあります。

とはいえ、第一審重視の傾向は年々強まっているので、やはり、出せる証拠は第一審ですべて出しておく、という鉄則に変わりはありません。

控訴審での逆転を狙って証拠を温存しておくというのは、意味がありません。

それと、特に控訴理由が量刑不当である場合に、原判決が破棄される可能性を聞かれることが多いです。

原判決の後になって被害者と示談が成立した、被害届が取り下げられた、全額弁償した、といったよほどの事情がない限り、破棄されることはないように思います。

そういった事情がない場合で、かつ勾留されている場合は、控訴すると余計に身体拘束期間が長くなってしまうというデメリットもあります。

(未決勾留日数はすべて算入されるわけではないからです)

そのあたりをよくよく考えて、控訴するかどうか検討する必要があります。

 

 

他方、民事訴訟では、控訴審であっても、証拠(書証)提出が制限されるということはありません。

新たな事実主張も特に制限されません。

ただ、証人尋問が採用されることは少ないですし、当事者尋問が控訴審で行われることはほとんどありません。

(第一審が主張整理を誤り重要な争点が見落とされていたような場合や、控訴審になってようやく証人と連絡がついたような場合は別ですが)

その意味では、第一審が主戦場であることは、民事事件でも変わりはないでしょう。