取扱業務
・離婚
離婚したいけど、具体的になにをどうすればいいのかわからない場合。
別居を考えているけど、何をしておくべきかわからない場合。
相手は離婚しないと言って譲らないけど、どう進めたらいいか相談したい場合。
逆に、相手から突然離婚したいと言われ、どう対応したらいいのかわからない場合。
・親権者
離婚することは合意できたけど、親権者について全然話がまとまらない場合。
・婚姻費用
養育費に比べてあまり馴染みがないかもしれませんが、配偶者と子の生活費のことです。配偶者の生活費も含むため養育費より高額になります。
離婚したいけど、別居後の生活費に不安がある場合など、ご相談下さい。
・財産分与
離婚した後でも請求できます。但し、離婚の時から2年という期限があります。
また、財産分与請求を行う場合、金融機関の取引履歴を照会しなければならない場合もありますが、一般的には遡れるのは10年が限度であるため、離婚とともに財産分与を請求したい場合には、なるべく早く弁護士に依頼されることをお勧めします。
反対に、不当に高額な財産分与の請求を受けた場合なども、ご相談下さい。
・養育費
とりあえず早く離婚したかったから、養育費についてちゃんと決めてなかった場合。
→当然ですが、離婚後にあらためて請求することは可能です。とにかく離婚したいがために「養育費は要らないから離婚して下さい」と言ってしまったとしても、諦める必要はありません。親から養育を受けるのは子供自身の権利であり、離婚した元配偶者に養育費を支払ってもらい、そのお金と自身の収入で子を育てていくことは、子供を監護する方の親の責任でもあります。
また、一応毎月の金額は決めたけど、一方的に金額を減らされたり、全然支払わなくなった場合。
→養育費の請求権は、他の請求権(たとえば貸金債権や売買代金債権など)よりも法律上厚く保護されています。これは、養育義務者(親)は少なくとも自分と同等の暮らしを子供にさせるべきという考えが基底にあるためです。言い換えれば、親は自分の出費を削ってでも、その分の子の養育費に回さなければならないということです。
収入があるにもかかわらず養育費を支払わないのであれば、すみやかに請求・回収する必要があります。
・面会交流
離婚したけど、子供に会いたい場合。
逆に、離婚した元配偶者から「子供に会わせてほしい。」と言われている場合など。
依頼者とお子様の意向を尊重し、最善の解決を目指します。
・年金分割
離婚する場合、年金分割は自動的には行われません。また、請求には期限があります。
・配偶者からの暴力
離婚したいけど、暴力が怖い。また、別居先に押しかけられるかもしれない場合。
弊所では、女性配偶者からの依頼を数多く受任しているため、当然ながらDV防止法による保護命令(対象に子供と親を含む)を得た経験があります。
その他、警察や自治体からも支援を受けて対策を立てる必要がありますので、不安な方は是非ご相談下さい。
離婚及びその関連事件は、財産分与を除けば技術的難易度がそれほど高くないので、ご自身で調停を追行されている方も多い事件類型です。
ただ、遺産分割の項でも言及しましたが、家庭内の事件は、とかく感情的な争いが持ち込まれがちであり、本来事件解決に関係のない事柄にまで争点が拡大する傾向にあります。代理人弁護士を立てない本人調停の場合、調停委員及び調停官(裁判官のことです)は、「当事者の話だから一応は聞いておこう、相手方に伝えておこう」というスタンスであることが多く、本筋と無関係の事柄であっても話自体は聞いてくれるでしょう。しかし、その話が事件解決にどう役立つのか、その点を立証(審判の場合は疎明といいます)したとして何か得るものはあるのか、相手方の主張に対し反論すべきなのか無視して良いのかといった視点は、冷静な第三者の視点から吟味が必要です。
財産分与に関しては、本人調停を行うことはあまりお勧めできません。養育費と比べて格段に専門的知識が必要とされます。弁護士ですら、財産分与制度を十分に理解していないのではないかと思われるケースもたまにあります。ましてや、調停委員がそれ以上に正確に財産分与制度を理解しているとは思えませんし、当事者の一方にのみ有利なアドバイスをする立場にもありません。相手方からの提案があった際に、それが法律上正当な分与案なのか、一般の方が判断できることは稀でしょう。
特に互いの財産額が大きい熟年離婚の場合、処理を誤れば本来分与されてしかるべき財産を得られなかったり、逆に財産分与のし過ぎ、ということになりかねません。
財産分与が争点になりそうな場合は、弁護士に相談だけでもされることをお勧めします。
余談ですが、離婚の相談に来られた方から最も多く聞く言葉が、「こんなひどいケースは他にないですよね?」、「こんな厄介な相手方なんですけど、大丈夫ですか?」といったものです。
しかし、案ずることはありません。何十件も離婚事件を処理していると、およそあらゆるタイプの相手方に出くわします。DVやモラハラの傾向を持つ配偶者には、ある種共通と言ってもいい行動パターンや思考様式があります。重要なのは弁護士がそれを先読みして対処することです。「想定外でした。」というのは、弁護士として自分は無能だと言っているようなものです。
また、「相手方は本当に口が達者なので、裁判になったときに心配です。」というのも、よく耳にします。これまで長い間、何か意見や批判を言えば頭ごなしに「お前が悪い。」と言われ、時には怒鳴られ、精神的にも参ってしまい、関係を修復する気力も全く湧いてこない、という状態になって離婚のご相談に来られる方も少なくないので、その不安な気持ちはよく分かります。
しかし、離婚は夫婦間の問題ですが、結局は法律問題です。裁判官は事件解決にとって法律的に意味がある事実しか見ません。ましてや、法廷は口数の多さや威圧感で勝負する場ではありませんし、時にそれらは有害にもなり得ます。弁護士の武器は相手方を怒鳴る声の大きさでも眼力の強さでもなく、頭脳の冷静さと理知にこそあります。また、ある程度ベテランの裁判官であれば弁護士以上に何百件も離婚事件を処理しているのですから、当事者の一方が多少口が上手かろうが、法律家の目から見れば児戯にも等しいものです。
長くなりましたが、要するに「慣れてますので安心して下さい。」ということです。